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日中戦争(昭和15/1940)
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作詞 松坂直美
作曲 倉若晴生

可愛いお前と二人連れ
水棹片手に舟唄で
漕いで流して西東
船頭暮らしは楽しいね

国の為ならねえ貴方
板子枕も厭やせぬ
まして夫婦で住んでいて
不平言うては相済まぬ

空の月さえ一人旅
俺とお前は二人連れ
たとえしがない船頭でも
住めば都さ水の上

何が恋しゅうて葦切は
今日もひねもす鳴くのかよ
真菰隠れの月見れば
なぜか戦地が偲ばれる

遠い北支の雲の上
きっと弟もこの月に
生まれ故郷の舟唄を
一人歌っているだろう
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作詞 高橋掬太郎
作曲 服部良一

花の前髪月の眉
お嫁に行く日がもう近い
楊柳に燕が来るように
その日の来るのを待ってるの

金の耳輪がキラキラと
お嫁に行く時ゃ何で行く
お籠に揺られてあの町へ
父上母上さようなら

幼馴染のあの人を
お嫁に行ったら何と呼ぶ
思っただけでも恥ずかしい
私は十八支那娘
作詞 若杉雄三郎
作曲 島口駒夫

赤い夕陽が波間に沈む
果てはいずこぞ水平線よ
今日も遥々南洋航路
男船乗り鴎鳥

波の飛沫で眠れぬ夜は
語り明かそよデッキの上で
星が瞬くあの星見れば
咥え煙草が目に沁みる

さすが男とあの娘が言うた
命任せの三本マスト
揺れる心に憧れ遥か
今日は赤道椰子の島
作詞 佐藤惣之助
作曲 中津義司

走る支那馬車寂しかないか
砂漠の旅は果てさえ知れず
曇る夕陽も瞼に濡れて
寒い風だよ鈴の音

金の三日月小さく光る
ラマ塔遥か驢馬さえ急ぐ
丘の彼方は町ではないか
胸を刺すよな灯が見える

泥の小屋も懐かし恋し
馬乳の酒が命に沁みて
誰が弾くのか夜風に響く
泣いているよな馬頭琴
作詞 矢島寵児
作曲 倉若晴生

夕月淡く国境暮れて
流す筏か旅行く船か
続く大陸アムール千里
今日も聞こえる舟歌が

北は果て無し南は遠し
鐘が鳴ります黒河の辺り
若い男の日焼けの肌に
風が身に沁む胸に沁む

臨む北海広野の星よ
遥か故郷をしみじみ偲ぶ
船は流れる船路は尽きぬ
便り頼もか渡り鳥
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