南国の舟唄

作詞　西原武三
作曲　福島多歌三

男男命を板子に賭けて
広い望みは海の上
港出てから港出てから
荒波越えりゃ
ここは遥かな空の下

今日も今日も暮れるか南の町よ
明日はいずこの波枕
鳴くな鳴くなよ鳴くな鳴くなよ
行く渡り鳥
帰るその日が無いじゃなし

赤い赤い夕陽が波間に落ちて
空に輝く北斗星
甘い夜風に甘い夜風に
つい誘われて
偲ぶあの日の港町

ハルピン旅情

作詞　久保田宵二
作曲　竹岡信幸

雪は降る降る嵐は募る
暮れて寂しや広野の果てを
涙隠して胡弓を抱いて
今日もとぼとぼ旅の空

流れ流れの満州か鴉
枯れた柳に吹く風聞いて
今宵一夜をハルピン宿に
遠い故郷の夢を見る

夜が更ければ思いも寒い
燃えろペチカよペチカよ燃えろ
嬉しアカシア花咲く頃は
雲の彼方にもう近い

興亜音頭

作詞　高橋掬太郎
作曲　阿部武雄

妬いちゃいけない日本と支那は
昔ながらの昔ながらの仲じゃもの
手拍子合わせて興亜音頭の一囃し

幹は日本の枝葉が伸びて
支那も満州も支那も満州も花が咲く
手拍子合わせて興亜音頭の一囃し

世帯持つなら大陸暮らし
土地も広けりゃ土地も広けりゃ気も広い
手拍子合わせて興亜音頭の一囃し

支那の楊柳に日本の桜
咲かす私の咲かす私の心意気
手拍子合わせて興亜音頭の一囃し

見せてやりましょ世界の人に
花の亜細亜の花の亜細亜の新秩序
手拍子合わせて興亜音頭の一囃し

国境の春

作詞　若杉雄三郎
作曲　山田栄一

流れ流れて松花江越えて
明日はハルピン北の町
胡弓一つに思いを乗せて
旅の馬車よどこへ行く

娘盛りを踊り子衣装
泣いてくれるなエトランゼ
並木灯りに馬車を止めて
せめて一夜の旅の歌

夕日夕月流れの水も
旅は悲しや北の町
流れ流れて北国遥か
虹の故郷雲が行く

想い出夜曲

作詞　サトウハチロー
作曲　早乙女光

思い出すのは故郷に
帰るあの日の朝の海
疲れ果てたる我が胸に
吹いた優しの吹いた優しの春の風

思い出すのはあの時の
白いマストよ浮雲よ
たった一つのあの煙草
消えた煙の消えた煙の懐かしさ

思い出すのはアカシアの
愛し香りよあの花よ
赤い夕陽の照る町で
歌を歌った歌を歌った我が姿

思い出すのは大陸へ
またも行こうと決めた宵
星の光も喜びに
泣いて濡れてた泣いて濡れてたあの夜更け